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誰も見ないで

第6章 キスの次は


「!?!?!?」


うわぁぁぁぁぁ!?
どうしよう!!!

紺野君の手から奪い取る?
でも完全に見てるよね
じゃあ走って逃げる?
ってここ俺の家だし


頭の中がパニックになって訳のわからない思考回路になってるところで、紺野君が俺に気がついた


「渡辺君……こういうの読むんですね……」
「あ……え、と……正樹が、買ってくれた、から……」


言い訳くさい

正樹のせいにして
俺悪い子!

ごめん正樹!!


俺が罪悪感とか後悔とかに苛まれていると、紺野君が座っている膝の上に置いていた自分の手を見ながら


「こういうこと、したい……って、思います……か?」


と聞いてきた


なにそれ

なにそれ
かわいい


俺は持っていたお盆をぎゅ、と握って勇気を振り絞る

そして


「……ん……」


小さい声をだして、肯定するように首を縦に振った

すると紺野君は顔を少しだけ上げて、俺を目だけで見上げる

そして、真っ赤な顔で微笑みながら


「……嬉しい、です」


と言った


かわいい

倒れそう
けど、今倒れたら一生後悔する

耐えろ、俺


俺は一旦机にお盆を置いて紺野君の近くに座った

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