誰も見ないで
第6章 キスの次は
うぅ……気持ち良かった、けど
すごい罪悪感
そんなことがあった
次の日
紺野君が突然こんなことを言い出した
「渡辺君のおうちに行ってみたいです」
「俺の、家?」
「はい」
前回お邪魔した時は中を見てる余裕がなかったので、と紺野君は言う
確かにそうだよね
「いいよ」
「ほんとですか? やった!」
そう言って笑う紺野君は本当に嬉しそうで、俺も吊られて笑顔になる
俺の部屋
そんなに汚れてないよね
この前掃除機もかけたハズだし
俺は自分の家の中を頭の中で確認しながら紺野君と帰った
「どうぞ」
「お邪魔します」
俺の家に紺野君がいる
すごい
少し前にもあったハズなのに妙に感動的で、俺はちょっと心が弾むのを感じた
「お茶用意してくるね」
「ありがとうございます」
何か遊べるものあったかな
ゲームぐらいしか思いつかないけど
紺野君ってゲームとかやるイメージないんだよなぁ
そんなことを考えながら俺がコップに入れた冷たい緑茶を持って戻ると
紺野君がじっと何かを見つめている
それが、俺が昨日読んだ正樹が買ってくれた漫画だってことに気がつくまで3秒