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誰も見ないで

第7章 罪と罰と罪と


それから父さんは俺に


「たくさん話したいこともあるが、今日はもう疲れただろう。明日も学校なんだから早く寝なさい」


と言って

母さんの夕食を食べた後お風呂に入ってからすぐに寝かされた


久しぶりに食べた母さんのご飯は、当然だけど瑞稀くんが作るのとは味が違って

なんだか懐かしい感じがした


そして次の日

瑞稀くんについての詳細を聞かれ、これまで話したことに加えていつから瑞稀くんが学校に来なくなったかとか
瑞稀くんのお父さんが最近になって家の近所でよく見かけるようになったとかを話した


それから1日経って
2日経った

けど父さんと母さんはあれ以降何も聞いて来ないし、何も言わない

ただ


「おかえり湊斗ーー!!!」
「ただいま」
「お邪魔します」
「あら正樹くん? またかっこよくなって〜」


いつも家に帰ってくるときと変わらずに俺に接してきた


それはまるで、この後に起こることを予見した嵐の前の静けさみたいだ

なんて

この後に何が起こるのかもわからないのに考えて、1人で不安になった


きっと考えないようにって父さんも母さんも、正樹も
気をつけてくれてるのに


それに、何も出来ない俺が何を不安に思ったって無意味なのに

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