テキストサイズ

誰も見ないで

第7章 罪と罰と罪と


「ありがとう、湊斗。そんな風に言ってもらえて私達はとても嬉しいよ」


でもね、と父さんは続ける


「仕事が忙しいから、なんて理由で離れている私達をそんな風に甘やかしてはいけないよ。もっともっと甘えて、頼って欲しい。母さんの言ったように、私達は愛する息子の辛いことはなんだって代わってあげたいくらいなんだ」


俺は本当に良い家庭に生まれたな

そう思っていたら、涙と鼻水を吹いていた母さんが強い視線で俺を見た


「お父さんの言う通りよ。湊斗は私達にもっと甘えなきゃいけないの。だから、今回は私達に任せなさい」


……え

任せ……?


母さんが頷いてるし、父さんも否定はしない
どころか


「今度は私達が頑張る番だ」


とか言い出した


「で、でも、瑞稀くんは父さんと母さんには関係ない……」
「何言ってるの!? 湊斗の恋人なのよ!? その人を困らせるなんて、実の親でも許さない!!!」


あぁ、完全にいつもの母さんだ


意気込む母さんになんて言えばいいのわからずだまっていると、父さんが


「私達にしか出来ないことがあるよ」


と力強く言った


そりゃ、あるだろうけど


ストーリーメニュー

TOPTOPへ