誰も見ないで
第2章 嫉妬
「紺野君のこと、好きになれそう?」
「? 最初から嫌いじゃないし、好きだよ?」
「うーん……まぁいいや」
何が言いたいのかわからなかったけど正樹はもう話す気はないみたいで、別の話を振ってきた
「とにかく、湊斗が教室で1人ぼっちじゃなくなって良かったよ」
「うん、ありがと。友達がいるって楽しいんだね」
俺がそう言った時の湊斗の顔が少しだけ固まる
「……そう。友達、できて良かった」
「うん!」
けど何かを言ってくるわけじゃなかったから、その後も特になんてことない会話をして家に帰った
家に帰ると携帯がチカチカ光ってて、開くと未読メールを知らせる通知がきていた
正樹かな?
と思いながらメールを開くと、送信相手は予想外にも紺野君
『今日はお弁当ありがとうございました。すごく美味しかったです。明日のお弁当頑張ります』
なんか、2人分の大きなお弁当を作る苦労を知ったから、作ってもらうの申し訳なくなっちゃうな
俺はコンビニ弁当とかでもいいんだけど
……紺野君がコンビニ弁当とか、全然想像できないや
『頑張らなくてもいっつも美味しいよ。無理しないようにね』