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誰も見ないで

第11章 侵略者


そんないい気分で教室に戻ると


あれ


瑞稀君が誰かと話してる
しかも、女の子と

俺が扉に触った時に小さくカタン、と音がしたことで2人が俺に気づいて


「じゃあ、よろしくね!」


女の子は走って出て行ってしまった


瑞稀君って女の子の知り合いいたんだ
とか
何話してたんだろ
とか


色々気になって、俺はなんとなく無言で瑞稀君に近づく


えぇ、と
でも
なんか言わなきゃ


「話の邪魔しちゃったかな。ごめんね?」


モヤモヤぐるぐるしてるのを隠してそう声をかけると、瑞稀君も


「……ううん。大丈夫」


なんだかちょっとぎこちない感じ


俺はどうかしたの、と聞こうとして口を開いたんだけど、俺が何か言うより早く


「先生からの用事は何だったの?」


と聞かれてしまって


「あ……えぇと、先生が、瑞稀君のこと心配してたみたいで」


なんてぎこちない返事をした


「そうだったんだ。僕に直接聞いてくれても良かったのにね」
「うん、そうだね」
「……」
「……」
「帰ろ、っか?」
「うん」


いつもみたく上手く会話をつなぐ方法がわからない


何で突然こんな感じになっちゃったんだろ

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