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誰も見ないで

第11章 侵略者


「んんっ……」


後ろから正樹の咳払いが聞こえたのは、俺たちが抱き合って数分経った頃


「俺のこと忘れてる?」


パッと離れた俺たちに正樹がにっこり笑いながら言う


「わ、忘れてない!」


ちょっと頭の片隅に置いやってただけで


俺の心の声が正樹にも聞こえたのか、じろっと睨まれる

そして俺たちの方へ近づくと
またにっこりと笑った


「湊斗は簡単に許したけど、俺はね、今回のことで瑞稀君に対する信頼が少しなくなっちゃった」


瑞稀君の肩に置いてた手から瑞稀君の動揺が伝わる


「湊斗の保護者として、窃盗の片棒を担ぐ……どころか実行犯なんて、ちょっと不安だよ」


あまりに突き放した正樹の言い方に流石に事実にしても言い方を考えてって言い返そうとすると、まだ続きがあるから黙ってろと目で威嚇された


なんか正樹ちょっと楽しそうじゃない!?


正樹は威嚇した眼差しをなかったもののように消し去って、さっきよりも深い笑みを作る

そして


「だから暫くは罰として2人のこと見張らせて貰おうかな」


と言い放った

でも更に衝撃的だったのは次の一言


「これから暫く、俺も湊斗の家に住むから」
「え……」
「……」


えぇぇぇぇぇぇぇ!?

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