
誰も見ないで
第2章 嫉妬
紺野君が俺以外と仲良さそうなのが、ちょっと嫌
なんて
何考えてるんだ
「そんなに気になるなら本人に直接聞けばいいでしょ」
「……紺野君は、1人で登校してるって言ってた」
「じゃあ見間違いだったんじゃない?」
「でも……間違ってる訳ない……と思う……けど……」
全く前に進まない議論に正樹が大きなため息を吐く
「それならせめて、また明日早く来て確認してみたら?」
「……あ……」
そっか
確認
明日も誰かと歩いてるのを見たら人と歩いてたじゃんって言えばいいのか
でもそれって
大分鬱陶しくないかな
紺野君が隠したくて嘘ついてたんだとしたら、いちいち探ってくるめんどくさい奴って思われないかな
「なに? まだ気になることがあるの?」
「…………紺野君に、嫌われるようなことしたくない」
素直にそう言うと、隣にいた正樹が吹き出した
「あはははっ、湊斗かわいい〜」
「うるさい。もう、正樹からかわないでよ!」
「ごめんごめん」
隣を歩く正樹に頭をぐしゃぐしゃされながら撫でられて、なんだか同い年なのに正樹の方がお兄ちゃんみたいだって思った
「でもほら、そのままじゃ湊斗気になって寝れなくなっちゃうだろうから、気になることはちゃんと聞いた方がいいよ」
