
誰も見ないで
第2章 嫉妬
そんな
じゃあ朝のアレは見間違い?
いやでも、見間違う筈ない
けど
「そっか」
もしかしたら
見間違いだったのかもしれない
「それより、お弁当食べましょう」
「うん」
俺は見間違える筈ない!絶対朝見たのは紺野君だった!なんて追求出来る筈もなく
流されるように紺野君とお弁当を食べた
「これ美味しい。すごく」
「本当ですか? 良かった」
笑ってる顔はいつも通り
かわいい
いじめられてるなんて、ないよね
その日の帰り
やっぱり気になった俺は正樹に相談した
「ねぇ正樹、どう思う?」
「どう思うって言われても……俺にはわかんないよ。あの先輩と話したことがあるわけじゃないし」
「んー……」
そうだよね
「別に何かされてる証拠があるわけじゃないんでしょ? それならいいじゃん。ただの友達かもよ」
「ただの……友達……」
ヤンキー先輩と紺野君が?
考えてみて、確かに人の人間関係なんてわかんないよなぁって思ったけど
なんか、ザワザワ? モゾモゾ? する
胸に何かが引っかかってる感じ
紺野君の知らないこと知れたら嬉しいはずなのに、なんでこんなモヤモヤしてるんだろ
