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誰も見ないで

第13章 好きになんて(サイドストーリー2)


なんとなく相原大和の前でにやにや頬を緩めるのが躊躇われて、俺は枕に顔を埋めた


相原大和の匂い
こうしてるだけで、やばい


俺のこの行動を何だと思っているのかはわからないけれど、見えないところで相原大和の気配が動く


立ち上がった?


ト、ト、と小さな足音を立てて部屋を出て行く相原大和

部屋を出る直前に顔を横に向けてドアの方を見たけど、相原大和は振り返ることなく部屋から出て行ってしまった


その光景に少しの寂しさを覚えるのはどうしてだろう

別に部屋から出ればすぐに会える距離なのに


ふぅ、と大きなため息を枕に吸い込ませてからふと時計を見る


うわぁ、もうこんな時間


俺の目が覚めた時間が日が昇ってすぐだったお陰でまだ時間はあるものの、そろそろ支度をしなければならない時間だ

それとついでに床に目をやると、畳まれた制服が目に入る


「……あ……」


そういえば俺、見たことない服着てる


起きてから時間は結構経ってるのに、今まで自分が着替えさせられてたことに気がつかなかったなんて

自分の注意力の甘さにがっかりしつつ、ならアレは俺の制服かなと手を伸ばす


「……っ」


痛っ

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