テキストサイズ

誰も見ないで

第13章 好きになんて(サイドストーリー2)


動くとズキン、と痛む昨日開かされた腰が辛かったけれど、なんとか着替え終えたところで相原大和が戻って来た

手には何やら大量に抱えている


「はっ、やっぱりな」
「何ですか……?」


ちょっと不貞腐れたような言い方になってしまったのは意図的ではないから目をつぶって欲しい


「真面目なお前のことだから、学校行くんだろうと思ってたんだよ」
「!」


真面目、は余計だ


なんて言葉が上手く出てこなくてもごもご口籠ると、相原大和がベッドに座って着替えるために立っていた俺を手招きした


脚の間に座れってこと?


手に持っていたものの1つだったクッションを下に敷かれてそこに座ると、優しく髪を撫でられる


「な、なんですか……?」
「いいから。つーかお前はこれな」
「?」


渡されたのはこれも持って来たものの1つである使い捨て歯ブラシ

ホテルとかに置いてあるようなものを渡される


歯を磨いてろと


大人しく歯ブラシを取り出して歯を磨き始めると、何かごそごそしていた後ろからモーター音がして


「!」


頭に温かい風が当たった

それがドライヤーだと気がつくと同時に髪を櫛のようなもので梳かされる

ストーリーメニュー

TOPTOPへ