
誰も見ないで
第2章 嫉妬
そんな会話をしていたらもう校門は目の前で
紺野君
いるかな
きょろきょろ回りを見回した
すると下駄箱の近くに紺野君と昨日と同じヤンキー先輩の姿が
「あ、紺野君いた」
「え……どこ?」
「あそこ」
「あぁほんとだ」
しかも今日は確実に紺野君だって間違いない
だってあそこは俺たちのクラスの下駄箱だし、上履きに履き替えてるのちゃんと見たもん
やっぱり昨日は紺野君嘘ついてたんだ
「……昨日と同じ人と一緒にいる」
「あー……そう、だね」
複雑そうな顔と声の正樹
それはそうか
明らかに俺ががっかりした顔してるもんね
そんな俺の前で、紺野君の頭をヤンキー先輩が撫でた
「あっ……」
しかもまた、ヤンキー先輩に紺野君が笑いかけてる
「……」
俺はもう完全に落ち込んでしまって、何も言葉が口から出ない
それを見ていた正樹がフォローするように
「本人に聞いてみないとどんな関係かなんてわからないんだから、そんなに気落ちするなよ」
と言ってくれる
けど、どんな関係とかそういうのが気になってるっていうよりか
紺野君に俺よりも仲のいい人がいるのが嫌、とか思ってる
