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誰も見ないで

第2章 嫉妬


紺野君達がいなくなってちょっとしてから俺たちも下駄箱に到着して、靴を履き替えて教室に向かった

正樹と分かれて教室に入ると、相変わらず紺野君は机で眠っている


俺は自分の席にカバンを置くと、最近日課になりつつある紺野君の寝顔を眺めるために近くに寄った

そこで


あれ……?


少しの違和感

不思議に思ってよく見てみると、いつもは外して机に置いてある紺野君のメガネが今日はかけたままになっていた


外すのわすれちゃったのかな?
でもこれ、こめかみのところ痛くなりそう

それに顔もあんまり見えない


相手のためにも自分のためにも、俺は紺野君のメガネを外そうと手を伸ばした

すると、俺の手が触れた瞬間


「……っ」


紺野君がピク、と動いた


「!」


あれ……?


「紺野君?」


声をかけてみると、紺野君は気まずそうに顔を上げる


「お、はよう?」


寝たフリ?
それとも今日は寝付けなかった?


色々考えながらも挨拶をすると


「おはよう、ございます」


紺野君からも返事が返ってきた

けど


「……」
「……」


お互いに気まずくて沈黙が流れてしまう

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