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誰も見ないで

第14章 文化祭


遅れてにっこり笑った顔を作る


すると


「!?!?」


指導役の女の子の身体がぐらっと傾いて


「危ない……!!」


倒れる寸前で、何とか引き寄せた

クラスのみんなから悲鳴が上がる


突然倒れたらそうだよね


「だ、大丈夫?」


支えた身体を揺らしてみるけど、女の子の目は覚めない

すると、先生が俺のところに来て


「恐らく大した理由ではないと思うが、念のため保健室に連れてってやれ」


と言われた


「……はい」


別に保健委員とかではないんだけど、このまま保健委員に「お願いします」と渡すわけにもいかないし

俺は結局その子を他の男子の手を借りながらおんぶの状態に背負って教室を出た



「はい。すみませんよろしくお願いします。失礼します」


保健室の先生に後を任せて俺が保健室を出ると、保健室にいる間に授業が終わっていたらしく帰宅する生徒とすれ違う


結局俺の練習なくなっちゃったな
まぁいっか


そんなことを考えながらゆっくり教室まで歩いていると、目の前から瑞稀君が歩いて来た

手には俺の荷物


「お疲れ様」


大変だったね、と笑う瑞稀君に癒される

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