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誰も見ないで

第14章 文化祭


俺は木下さんに告白されて、瑞稀君と一緒にいる時間を減らしてる

そんな状態で瑞稀君が話してる人にそんな風に思うなんて

心が狭い


俺は敢えて明るめの笑顔を作った


「趣味が合う友達って大切だよね」


すると瑞稀君の表情もぱっと明るくなって


「うん!」


と大き頷いた


心の中にうっすらと差す暗い影を、俺は見て見ぬフリをする


俺が木下さんのことちゃんとしたら、小川さんのことも瑞稀君に言おう

やめてとか言えないから、ちょっと嫌だなって



次の日、学校へといつもの道を歩いていると後ろから肩を叩かれた


「おはよ、湊斗」
「正樹……おはよ」


俺の横に並んだ幼馴染は俺の顔を見て疲れた顔してるね、と小さく苦笑いを浮かべる


「瑞稀君は?」
「木下さん全面警戒中だから、別で行ってる」
「あぁ……まぁ、そうした方がいいかもね」


なんだか最近はトイレに行くのもどこ行くのとかって聞かれるようになって、正直もう怖い

だから瑞稀君のことは、早めに手を打っておいて良かったと思う

思うけど


「はぁ……」
「元気ないね?」
「……瑞稀君ともっとたくさん話したい」


昨日みたいなことだって、小川さんとの話の内容がもっとわかったら嫉妬しなくて済むのに

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