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誰も見ないで

第16章 全部知りたいのに


にこ、と微笑んだ顔にクラス中の女の子が見惚れてる


流石、王子様……


湊斗君に普段お母さんかのように叱る姿とは打って変わって、教室で見る正樹君は本当に王子様みたい


「よろしくお願いします」


僕も遅れてそう返すと、空いていた目の前の椅子に座った正樹君がまるでその場を見ていたかのように


「湊斗クラス替えすごい嫌がったでしょ」


と言い当てた


簡単に想像出来ちゃうのかな


僕はさっきの湊斗君の映像が頭をよぎって、つい笑みをこぼしてから


「はい。子供みたいにゴネてました」


と答えた


「だと思った。朝クラス分けの紙見てすぐ想像出来たよ。俺とクラスが違った時も落ち込んでたから、瑞稀君なら尚更だろうって」
「行きたくないって、さっきまで一緒にいたんですけど……」
「甘やかしちゃダメだよ」


まったくあいつは妙に甘え上手なことがあるから、と呆れたように言う正樹君にちょっと同意して笑う


「そういえば湊斗のクラスって、進学と就職の混ざってるクラスだよね?」
「そうですね」


3年生にもなると、進学と就職でクラスがある程度分けられる

とは言っても就職の人数がそこまで多くないから、結局進学と混合のクラスになるんだけど

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