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誰も見ないで

第17章 決断


俺が今考えている進路のことを全てを話し終わると、母さんは


『そう。ちゃんと自分で決めたのよね?』


と聞いてきた


「うん。俺がちゃんと、自分で決めたよ」
『……よかった。もしかしたら私、余計なことを言ったんじゃないかって思ってたの』


母さんの言葉に、俺は少し驚いた

それからなんだかほっとした気持ちで


「そんなことないよ。あぁやって言われないと俺、きっと何も考えなかったから」
『ごめんなさい。ありがとう、湊斗』


電話口で母さんの笑った声が漸く聞けて、俺も吊られて笑った

それから最近の父さんの様子や俺たちの学校でのことを色々と話していたら、いつの間にやら結構な時間が経ってしまっていて


「長電話してごめん。今月の携帯代すごいかも」
『愛息子とゆっくり話せたのにお金のことをとやかく言うほど私ダメな人間じゃないわよ』
「ありがと」
『それじゃあ、またね。体調崩さないように気をつけて』
「うん。母さんたちも」


電話を切って一息つく


良かった
ちゃんと話せて


なんか変に緊張してたから


肺の中に残った緊張してた時の空気を全部吐き出すようにしっかり深呼吸をして、俺はリビングに戻った

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