
誰も見ないで
第17章 決断
瑞稀君にこのことを一刻も早く話すべきだってわかってはいた
これから離れ離れになってしまうこと
でもそれは、俺なりに瑞稀君とずっと一緒にいるために考えたことだってこと
海外の大学へ進学するのは、正直そこまで難しくない
日本と違って向こうの大学は入るのは簡単で卒業するのが難しいから
そんなのはよく言われる
でも
それでも俺は意地でも4年で卒業してくるから
だから、待っててほしい
伝えなきゃいけないことが沢山あって
それでも、もしかしたら瑞稀君は4年間も待つの嫌かもって思ってしまって、なかなか言い出せないでいた
そんな風に悩んでいても時間は流れて
担任の先生と話し合ったりすることはどんどん進んでいってしまう
ちゃんと決められたのに
いざ瑞稀君に話すとなるとなかなか出来ないのは、やっぱり相手が瑞稀君だからなんだろう
瑞稀君に進路の相談された時に一緒に言っちゃえば良かったのかな
でも、悩んでるって言ってるのに、また新しい悩みの種を俺が撒いちゃうんじゃ意味がないし
けどそんなこと言ったら、いつ言ったって瑞稀君を不安にさせるんだから早めに言っちゃった方が良かったのに、とも思うし
