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誰も見ないで

第18章 最後の


これから塾に通うにはお金の余裕も時間もないから、確実に大学に入れる方法ってことらしい

一般受験する人も多いし瑞稀君の成績は良い方だったから、次の成績によってはそこまで厳しい話じゃないから良い選択だと俺も思う

けど

その日の授業の復習や予習を欠かさずにやって、わからないところを聞きに行ったりしてる姿を見ると少し焦る気持ちもある


自分の方の小論文は今添削してもらってるから、俺が今やるべきことがわからなくて

俺だけ置いていかれてる感じがする


海外への留学経験がある先生と、両親にそれぞれ提出し終わってる俺の課題

終わってるんだから、残されてるなんてことないと思うんだけど

ずっと計画的に動いてる瑞稀君と比べると、何かが足りない気がして落ち込んでしまう


受験生のナイーブな気持ちってこういうことかな

他人が気になると言うか
1番側にいる人が頑張ってるから、自分も焦っちゃうんだよね


頑張ってる瑞稀君を純粋に応援したい気持ちもあるからこそ、そのせめぎ合いで苦労する

これを1年って、すごい

運が良ければ俺も瑞稀君も受験は早めに終わるから、他の人は本当大変だ


最近クラスでは色々な情報交換を話してする就職組と、黙って勉強に勤しむ受験組でギスギスしてる

俺たちがああならないように、気をつけないと

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