
誰も見ないで
第18章 最後の
俺は日々頑張って勉強する瑞稀君を静かに見守りながら過ごした
そうしてついにやってきた遠足の日前日
今日は勉強もお休み、と言って明日の準備をする瑞稀君と一緒に俺も準備をする
とは言っても別に泊まりでも何でもないし、持ち物を揃えて着ていく服を決めるぐらいしかやることはないんだけど
一通り準備を終えた俺が座ってコーヒーを飲んでいると、同じく準備を終えた瑞稀君がトイレから戻ってきて俺の隣に座った
お互いの肩が触れ合うほどに近くに座った瑞稀君は、なんだか上機嫌な様子で俺を見上げる
「? どうしたの?」
「んー……」
ふふふ、と笑いながら瑞稀君は俺の手を取って猫が戯れるみたいに遊んでる
なにこれかわいい
なんでこんなご機嫌なんだろ
あんまりかわいいことするから我慢しきれなくて、遊ばれてた手で瑞稀君の頬に触れると
「……んむ」
その手に今度は顔を擦り付けてきた
ゴロゴロ喉を鳴らす音が聞こえてきそうなその行為に、胸がきゅんきゅん締まる
「なぁに? そんなご機嫌で」
俺が耳を撫でながらそう聞くと、瑞稀君は身体を起こした
そしてそのまま俺の膝の上に跨ってくる
