
誰も見ないで
第18章 最後の
それからクラスの隔てなくざっくりと集められた俺たちは拡声器を使った先生にこれからの流れを説明される
とはいっても基本的にはここで解散で、集合時間まで自由時間なんだけど
とにかく一般のお客さんに迷惑をかけるな、という話だけ聞かされて
「じゃあ解散! 楽しんでこいよ〜」
と先生に放たれた
「瑞稀君! いこ!」
「うん!」
みんなのわくわくした楽しそうな空気が伝染したのか、俺もだんだんテンションが上がって来た
走って入場ゲートへ向かうみんなを見て、俺たちも小走りになりながらそちらへ向かう
先生から配られたチケットで園内に入ると、外でも微かに聞こえていた賑やかな音楽が一層大きくなった
「すごい……!」
瑞稀君も興奮した様子で周りを見渡している
「最初どこから回ろっか?」
「ここ! 行ってみたかったとこ!」
広げた園内図の中で、瑞稀君は家で既に確認していたところを指差す
「じゃああっちだね。いこっか」
「うん!」
スキップでも始めそうなほど楽しそうな瑞稀君に吊られて俺もどんどん楽しくなってきて
「あれ見て、面白い!」
「わぁ、ほんとだ」
普段なら気にもしないようなものにも2人ではしゃいだ
