
誰も見ないで
第18章 最後の
ここからはもう乗り換えがないから、話したことはない同じ学校の同級生がちらほら見えてくる
「みんなこの時間に乗ってたのかな」
瑞稀君も周りを見渡しながらそんなことを言ってきて
「みたいだね。考えることはみんな同じってことかな」
なんて話しながら電車に暫く揺られた
漸く到着した遊園地の最寄駅は、もう入口が遠目に見えるほど近い
電車から降りながらチラッと遊園地の方を見ると、人の塊があったから、早めにきた人とか先生とかが固まってるんだろう
俺たちも改札を通ってその塊に近寄ると、担任の先生に声をかけて出欠を取ってチケットを受け取れ、と指示を出している先生の声
「あ、俺のクラスの先生あっちだ」
「僕のクラスは……」
「あそこ?」
「あ、ほんとだ」
一瞬俺たちも二手に分かれて先生に声をかけに行く
「先生、渡辺です」
「はいはい」
先生は慣れたように持っていた出席簿にチェックをすると俺にチケットとパンフレットを手渡した
瑞稀君の方もすぐに終わったみたいで同じセットを持たされてこっちに歩いている
「僕、先生と会話をする暇もなかったよ。整列したりしなくていいのかな」
「まぁ……もうそんな年じゃないのかな?」
子供って言うには大きすぎるよね
