誰も見ないで
第2章 嫉妬
それから正樹に「絶対家で読め。外では開けるな」と念押しされたので、ブックカバーを嵌められ小さな紙袋に入れられたその本を俺は家に持って帰った
「ただいま」
家に着いて
鞄を置いて
手を洗ってうがいをして
「……」
正樹が買ってくれたものを目の前に俺は座った
正樹の様子からして結構覚悟のいるものなんだよね
でも「いいもの」とも言ってたしなぁ
とりあえず開けよう
紙袋の入り口を止めていたセロハンテープを剥がして、中の物を取り出す
そして紙製のブックカバーを外すと
「……漫画……?」
中から出てきたのは少女漫画みたいなかわいい絵が表紙に描かれた本
でもその表紙は少女漫画と違って、何故か制服を着た男の子同士が抱き合ってるというもの
中身を読んでみると
あ、すごいわかる
表紙に描かれていた主人公の男の子達が徐々に惹かれあって告白して付き合って、という友達から恋愛に至るまでの過程が細かく描かれていた
俺に共感できる部分も多いし絵もかわいいしで、すごくいい
と最初は思ってたんだけど
「あ……っ」
途中からなんだか雲行きが怪しくなってきた