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誰も見ないで

第3章 好き


教室に誰かが入ってくると紺野君との時間がなくなっちゃうからちょっと嫌、なんてあまりに自己中心的すぎるよね

俺前まではこんなこと気にならなかったのにな


ちょっとした自己嫌悪に陥っていると、ポケットに入れていた携帯が震えた


「?」


開くと、紺野君からのメールを受信している


『クラスの人が来てしまって残念です』


俺と同じ

嬉しい!!!


俺はすぐさま返信ボタンを押して


『俺も同じこと考えてて自己嫌悪になってたけど、紺野君と一緒なら嬉しい』


と書いて送信した

今登校した子が後ろの方の席の人で助かった

隣とかだったら絶対俺が変ににやけてるのとか丸見えで、恥ずかしいもん


俺のメールを受信したらしい紺野君がごそごそ動いて携帯を開く

するとぺしょ、と潰れるように机に突っ伏してしまった


「?」


どうしたんだろ


そのまま固まっていた紺野君は、暫く後にまた動き出して


『それを聞いて僕も嬉しいです』


と返信をくれた


紺野君も嬉しいって
やった


廊下からどんどん人が教室にやってくる声がする

登校時間の10分前にもなればほとんどの生徒は登校していて教室は賑やか

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