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誰も見ないで

第3章 好き


綺麗な箸づかいでお弁当を口の中に収めていく紺野君

その時も俺の視線は唇に釘付けになってしまった


あぁ、ほんと
かわいい

好き


じっと見ていたら紺野君にまた食べましょうって急かされて俺も慌ててご飯を食べた

5時間目、6時間目を眠気と戦いながら終えたら午後はあっという間に終わりで、もう放課後

俺はみんながいなくなるまで机でぼーっとしてて

クラスの人がいなくなったところで紺野君のところに向かった


「帰ろ」


そう声をかけると「はい」って紺野君から返事が返ってくるまでに少しだけ時間があった

でもどうしたのって聞くより早く


あ、緊張してる


って自分でわかったから、それが嬉しくてわざわざ聞いたりしなくて済んだ


「そーいえば紺野君って歩いて登校して来てるよね?」
「はい」
「どこに住んでるの?」


俺の質問に返って来た答えは意外にも俺の家から近い地名だった

俺が自分の住んでる場所を告げると紺野君も驚いて


「こんなに近くに住んでたんですね」


って笑った


中学は一緒じゃなかったから、間でちょうど学区が分かれちゃったのかな

残念

中学生の紺野君とかかわいいだろうな

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