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誰も見ないで

第3章 好き


審判がボールを投げて
ボールが上から下に進路を変える頃、俺たちもジャンプする


ちょっとだけ俺の方が飛ぶのが早い
でも先に落ちたりしないよ
ジャンプ力にはちょっと自信あるから


「!」


ボールを取ったのは俺

相手が悔しそうな顔をしながら下に落ちていくのを見てから正樹を探す


あ、やっぱり相手からのマーク強いな


「パス!」
「はっ……はい!」


俺は正樹に回すのは諦めて、空中で他のチームメイトにパスを出す

そして床に足が着くなり走り出してその子にまたパスを要求


「こっち!」


うん
パス綺麗に通った


そしてそのボールを5回も床にドリブルしないままゴールに向かって投げた

当然入るなんて思ってない

適当に投げたんだし


ボールはゴールの枠に当たって跳ね返り、遠くに飛んでーーー

行く前に正樹が


「ナイッシュ!」


ダンクシュートまで行かないけど、その要領でボールを押さえてゴールに押し込んだ


俺がドリブルし始めたぐらいで正樹のマークちょっと緩んだの見えてたから

けど、正樹が間に合ってよかった


ここまで試合開始から30秒も経ってない

バスケ部相手に早すぎる先制点が入り、休憩していた他のチームから歓声が上がった

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