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誰も見ないで

第3章 好き


けど喜んでる暇なんてない

バスケは点が入ってリスタートするまでも試合時間が減り続ける

その証拠にほら
もう相手チームの人がボールを投げるところ


「湊斗! ぼーっとするな!」
「うん」


試合は接戦で

俺たちが入れたら相手からも入れられて
相手に入れられたら俺たちも入れての繰り返し

あんまり差がつかないまま、時間はもうすぐ終わりってところまで差し掛かっていた


「っくそ……」


そう呟いたのは俺がマークしてたバスケ部の人

部活でやってるってプライドがあってどうしても負けたくないんだろう

それなのに俺たちは別にそんなプライドもなくやってるから、もしかしたらそれにもイライラしてるのかもしれない


そしてそんな時に俺が打ったスリーポイントが入って少しだけ点差が開いた


「よし! 湊斗ナイス!」
「くそ……次行くぞ!!」


それにさらに焦ったバスケ部の人が、急いで試合を再開させたんだけど

焦りのせいでスピードの速いパスが紺野君の方に行ってしまった


「あっ……やべ」


やべ、じゃないよ……っ

届け!!!


俺は無理にそっちに跳んで、思いっきり手を伸ばす

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