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誰も見ないで

第3章 好き


「……っ」


やった……!!!


すると俺の祈りが通じたのか指先がボールに僅かに触った

ボールは進路を変えて味方チームの人の元へ

俺は変な体勢で跳んだせいでロクな受け身も取れずに床に転がる


痛たた


転がりながら正樹がシュートを決めたのを見て、その直後ホイッスルが鳴った


勝ったは勝ったけど最後の最後でかっこ悪い感じになっちゃった


「渡辺君! 大丈夫ですか!?」


駆け寄ってきてくれたのは紺野君


「大丈夫……」


あ、嘘かも
指が痛い
突き指しちゃったかな


「悪い渡辺! 大丈夫か!?」


遅れて僕のところに来たのはさっきのパスを出したバスケ部の人


「つい力が入って……本当にごめん」
「大丈夫」


すると先生も俺の方にやってきた


「渡辺、指痛めただろ。保健室行ってこい」


なんでわかるの
すごい


「俺が連れてくよ。悪いの俺だし」
「え、いや……」


痛めたの脚じゃないし1人で行けます


って口に出そうとしたその時


「ぼ、僕が連れて行きます」


そう申し出てくれた紺野君

責任感感じてるのかちょっと泣きそうな顔


「湊斗には紺野君に着いて行って貰って、君は湊斗の代わりに試合出てよ」

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