誰も見ないで
第3章 好き
待ってた時間はきっと一瞬だったんだけど、俺には何時間にも感じた
そして
「行きたいです。一緒に、どこか」
って返事を貰った時は飛び上がるほど嬉しかった
やった!!!
紺野君と一緒に出かけられる!!!
放課後だけじゃなくて、ちゃんとしたデートだ!!!
「ほんとに嬉しい。楽しみにしてる」
俺がそう言うと、紺野君もすごく嬉しそうに笑ってくれた
「どこか行きたいところある?」
「そう、ですね……」
うーん、と考え出した紺野君
俺もどこがいっかな、って一生懸命考えるけど
どこだろ
俺のイメージではデートって言ったらオシャレなカフェとか映画館ってイメージなんだけど
紺野君とって考えるとそれもちょっと違うよなぁ
そんなことを考えているうちにお昼休みがあと5分を知らせる鐘が鳴った
「やばい、教室戻らないと」
「そうですね」
「じゃあ、行きたいところとかはメールで相談しよう」
あ、なんかこれもすごくカップルっぽい
「はい。そうしましょう」
すごく幸せ
あと少しで土日だし
とりあえず帰ったらたくさんてるてる坊主作って窓際に飾らなきゃ
初デートが雨なんてさみしいもんね