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いらっしゃいませ……

第1章 いらっしゃいませ……

深夜、僕はコンビニに出掛けた。
12時過ぎてからコンビニに行くのは初めてかもしれない。さすがに深夜なだけあって、街灯はほぼ消えており、弱々しい月の明かりだけが街を照らしていた。

10分ほど歩くと暗闇の中にポツンと光が見え、眩しいほどの人工的な明かりにほっと胸を撫で下ろした。

店の中に入ると、女の店員が一人いた。
女は黒髪をひとつに束ね、レジでなにやら俯いて作業をしている。

(夜に女の子が働くなんて大丈夫なんだろうか)

そう思いながら弁当を持ってレジに行くと、女の店員は俯いたまま「いらっしゃいませ…」と呟いた。


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