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いらっしゃいませ……

第1章 いらっしゃいませ……

覇気のない挨拶だ。しかも思ったよりも前髪が長くて口元しか見えない。商品をスキャンしている間もずっと俯いているから、無愛想な店員だなと思った。

「380円になります……」

僕は財布から500円玉を出した。

「……お弁当は……温めますか?」

「はい」

女は相変わらず低い声でボソボソ言うと、レンジの中に弁当を入れた。
ゴオオオという音が店内に響く。

「……お箸は……ご利用ですか?」

「はい、お願いします」

「……何本……」

「二本お願いします」

すると女はレジの引き出しからなぜか箸を鷲掴みした。

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