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ファンタジー短編集

第4章 何より大切なもの

 行き着いた場所は、この世界の統治者の元。

「神様?」

「どうしたのじゃ?」

「俺の力を全部取ってくれ。そして、人間界のエリーの所に送ってくれ」

「自分から力を無くして欲しいなど珍しい奴じゃな。いや、昨日も力を無くしてくれというおなごが来たな」

「力よりよりも大切なもの。傍にいて守りたいものがあるんだ」

「そうか。この泉は自分の為だけ、私利私欲の為だは開かぬがお主のことは受け入れたようじゃ。その覚悟があるなら目を瞑るんじゃ」

 神様に言われて目を瞑る。ちなみに神様とは俺が勝手に呼んでいるだけだ。このおじいさんの名前を知るものは誰もいない。目を閉じていると光りを感じた。

「行ってらっしゃい。達者でな」

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