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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第5章 指定避難所だから・・・

『子どもがおっきくなるまでの辛抱~
と思って必死こいてたら
あっという間!そんなモンよぉ!!』


ガハガハと愛嬌(?)たっぷりに
笑うオバチャン。

彼女の夫が、その昔
恋い焦がれ、夢中になったであろう
ゥン十年前のこの人は

一体どんな愛らしい女性だったのやら?

なんて・・・?

ツッコマねぇぞ!俺(笑)




『ね、ね、オハラさん
もしもそのオハラさんの娘さんがさぁ
嫁ぎ先で…辛い目にあったりしたら
どうする?』



『???~まぁ、あたしらの時代なら?
嫁に行ったなら3年は実家に帰るな~!
だのそんなんだったけど~…?

今の子達はまた違う苦労も多そうだしね?
便利な分、複雑な事も多いだろうし

子ども産むにしても~
保育園の問題だ、やれ男が頼りないだって
高齢出産あたり前みたいなのだとかねぇ
子育てして働いてないとやってけないとか

生きにくい時代でもあるんかなぁ
なんて年寄りは思うかねぇ』



オバチャンは…よう語る


だが…



『でも…、自分の娘が・・・
しんどいって言ってきたら、そりゃぁ
何がなんでも助けに行こう…
自然とそうなるんじゃなぁい?』


『何がなんでも?』


『うん、そりゃもぉ。我慢させるのも、
叱ることも大事よ?もちろん。
ん~でも…親はいつになっても
親だかんねぇ…
子どもが泣いてたら、助けに行くわよ』



『娘が…何も言わなかったり
拒んでも?』



『親は…わかるもんよ?なんとなぁくね。

ん…本当に娘が、心身共に危ないなんて
なったら、取り返しつかんことになる前に

それこそ引きずってでも連れ戻すんと
ちがうかしらぁ?』



『そ・・・か』




『ん・・・?なんやシノちゃん
まっさか…~アンタ
あの可愛い妹ちゃん…?
出戻りなるとかかいなっ?!』



『へ?…いや、ちがうけどさ。』



『いいのよ!いいのよぉ~!
昔とは時代がちがうしっ!!!

若いうちは、なぁんぼでも
やり直し効くから!

あったしみたいなババァなったら
もう旦那と道連れだけどねぇ~(笑)』




『いや、だから妹はちげぇって(笑)』




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