テキストサイズ

かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第1章 結婚て・・・何スカ?

ハァ……




俺は
ちょいとばかり
ため息がもれた。




こんな時間に・・・




こんなガキ連れて
警察行かなきゃなんねぇのかよ~…。



寒みぃしよ


早く帰って寝たいってのに…。



勘弁してくれよぉ…。






あーーー…

やっぱ、ツイてねぇわ今日…。




えっと~?


交番…交番……


近くにあったっけな?


駅まで戻るか?




そんなことに
回らない頭を動かしながら俺は






『そう。・・・どこ、いくの?』


『・・・』



とりあえず

女の子に話しかけ続けた。





『家に…帰るの?』

『・・・』



涙を拭って…
うつむいたままのその子は

答えない。





『どっから来たの?』




こんな格好で

そう遠くから来たとも
思えないけど・・・。






『・・・な・・んで?』





凍えているせいか
声が震えている。

シカトと沈黙に限界を感じたのか
ついにその子は口を開いた。




『なんでって……。
こんな時間にさ……
女の子が一人で、危ないだろ?』





『べつに平気・・・』






あのなぁ・・・


このガキ・・・







あーーーー



厄介だなぁオイ・・・

ストーリーメニュー

TOPTOPへ