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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第8章 ゆるされぬ想い・・・

『ごめん…ゆぅちゃん?
言ってること…
まったくわかんないんだけど・・・』



マリアの目がまんまるだった。







『~~…消去法だ。仕方ないだろ?』



『仕方ない…とか、ゆう話でも…』








『ここなら、とんでこれるだろ?(笑)
最悪、走ってでもさ
あ…帰るならのハナシだけどな?』



『・・・』







『・・・ここしか、ねぇだろ?
他に、どこがあんだよ?』



『それは・・・』









『1日や2日…泊まるとこや

泊めてくれる友達なら
いるかもしんねぇけど

その後どうすんだよ?』




『・・・~~』







『今後のことを考えたり
準備する期間が必要なんじゃないのか?
それに…
せめて・・・身体が治るまでても』






『ゆぅちゃん…』








『俺が言いたいのは
とりあえず、そういうこと…』








『・・・勝手に駆け込んできて

迷惑かけておいて、矛盾してるけど
それは・・・できないよ

そこまでしてもらう理由…ない』






『理由なんかなくたっていいだろ。
マリアの安全をまず守る…
それじゃダメなのか?』






『そうじゃ・・・なくて…っ』






マリアの言いたいことは・・・

もちろん

俺にもわかってた・・・









『何かあったら・・・どうするの・・っ』








『・・・・・・』








『関係ない人を…これ以上巻き込めないよ』







『・・・』








『ごめん、ゆぅちゃん。

でも・・・気持ちは嬉しかった

ありがとう』






マリアがソファから立って
玄関へ向かう。

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