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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第8章 ゆるされぬ想い・・・

ドン・・・っ



出て行こうとしたマリアに

壁ドン…?…ドアドン・・・?



とにかく、マリアを止めた。




俺は、本気で
マリアをこのまま家に帰す気は…

それだけはなかった。




断られる事は、ある程度
予想はついてたけど


俺の提案を断るなら
警察か・・・せめて病院に…


そう思っていたから。






俺の勝手な罪悪感・・・贖罪

それもあった





だけど、それ以上に




マリアに…二度とこんな目に
遭ってほしくない



あの男に…旦那に
ひどい仕打ちを受けるマリアを
二度とみたくない



なぜだか俺は

そんな思いが前へ前へと
出てしまったんだ。






『ゆぅちゃん…ちょっと…!』

『マリア・・・ダメだ』






『はなして・・・』

『マリア・・・!』







『・・・自分のことは、自分で』


『自分じゃ・・・
一人じゃどうにもならなかっただろ?!』









『それでも…私のことだから…っ』











『・・・俺が手伝う』












『・・・・・・!?』


『誰かが手伝えれば…変わる』







『だからって、できないよ…っ。』

『マリア・・・逃げんなって!』















『どうして私にかまうのよっ・・・!』










『・・・・・・』



それは・・・









『ゆぅちゃん…やさしい人だから

でも…関わらない方が良いこともある。

これ以上、私のせいで
ゆぅちゃんが何か大変なことを
被ったら・・・私…自分を許せない』








『それは・・・俺が・・・』









俺が・・・マリアを・・・






・・・・・・。





・・・・・・。








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