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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第8章 ゆるされぬ想い・・・

『ま…警察いくのは
マリアにも、相手にも…
避けたい事だと思うから?

避けられる可能性のある方法から
やってみるのがベターじゃねぇ?』


『・・・うん…っ』




マリアがようやく首を縦に振った。





『ぁ・・・今、何時?』




マリアが急にソワソワし始めた。




『・・・?…12時過ぎたとこ』




『・・・。~~・・・』


『マリア?』





マリアは気難しい顔をして
少しうつむいた。




『どうかした?』


『ごめん・・・急いでいいかな?
すぐ・・・行ってくる』




・・・?




『・・・わかった。それなら
車で行こう?確実に速い』




『でも・・・』




『離れたとこに停めて待つ。
荷物だけ、さっさととっておいで

なんか、急ぐんだろ?…早く』


『うん・・・』








・・・。



『どうした?いくよ』

『・・・うん』




・・・?


・・・。







『・・・ホラ』


『ぁ・・・っ』






俺は
髪の毛をいじったりして
顔の傷を隠そうとしているマリアに
帽子を被せた。




ちょっとブカブカ・・・(苦笑)




『ありがとう…』





『よし、急ぐぞ…』






・・・と、言いつつ



俺はメモを見て


ダイヤルプッシュ。





RRRRRRR・・・





『・・・ゆぅちゃん?』


『出ない・・・な』





『え?…どこかけてるの?…まさかっ』





俺はマリアの自宅にかけていた。

暴力振るって奥さんに出ていかれたんだ。
もしかしたら仕事休んでるかも…
なんてことも考えられる。



マリアが慌てて
俺の手からスマホをとりあげて
画面をのぞいた



『・・・ぇ?』

『・・・っ!!!』





マリアが即座に電話を切る。




『いや・・・留守か確かめようと』


『番号・・・通知しないで』






『…出なかったぜ?大丈夫じゃ…』


『なにがなんでも、巻き込みたくないの』





『マリア・・・』


『矛盾してても説得力なくても
絶対に巻き込みたくないの』




『・・・』


『あなたを…絶対に巻き込まないから』

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