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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第8章 ゆるされぬ想い・・・


『・・・この辺で、待ってる』


『ありがとう…』



マリアの家が視界に入る
程よい所で車を停めた。



『なるべく急げよ?』

『うん…』





大丈夫だろうか…?

一緒に行きたいとこだが

色んな意味でそれもマズイ。







もう一度マリアの自宅に電話をかけて
留守を確かめる。



『うん・・・出ない、大丈夫だ』


『・・・』



マリアの顔に
恐怖だろうか・・・緊張がみえた。





『マリア、万が一・・・だったら
直ぐに逃げろ。

駅の方にまわって?
そこで拾うから。

…15分・・・いや
20分して
マリアが戻らなかったら

また家の電話鳴らす。

番号は通知しないから
出来たら受話器とって叫んで

・・・警察に通報する』





『・・・わかった。行ってくる』









マリアを待つ間・・・


俺はとんでもない緊張で
ぶっちゃけ汗をかいていた。



とにかく無事に戻ってくれ・・・



それだけだった。

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