かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第11章 そういうの・・・碧いよ
『…ゆぅちゃん・・・恥ずかしい』
『ん?・・・どうして?』
『・・・結局、私・・・口だけ』
『ふふっ…似合わない意地を
張り通してくれなかったから
おかげで
俺は助かったけどな?(笑)』
マリアにフラれたのは
けっこう堪えたからな?(苦笑)
『マリアは…素直なままが一番。
顔も、性格も…ガキみたいなままで
いいから
素直なマリアが俺は一番好き…』
『・・・〃顔〃は…余計…っ』
『ぷっ・・・ほらな?ソレ(笑)』
『ゆぅちゃん・・・』
『ん~~~?』
『・・・すき』
『・・・っ』
『ゆぅちゃんのこと・・・大好き』
『・・・~~~っ』
『まだ・・・言ってなかった』
悶絶してる俺に
マリアが背伸びして
そっとキスしてくれた。
『ゆぅちゃん?…あのね
おかげで、また目標が出来ちゃった』
『何?』
俺まだ・・・コーフン冷め止まぬ状態
なんすけど?
テクテクテク・・・
マリアが俺からはなれて
自分のスマホを手にとって
思い切り放り投げた。
『ぁ・・・っ』
・・・?
壁にぶつかって落ちるケータイ。
『???』
『こうして…自由になったら
いちばんに・・・ゆぅちゃんに
〃紹介〃するね!』
マリアがニコッと笑って言う。
『誰を?…』
キュキュキュ・・・
そして名刺くらいの大きさに
切り抜いた紙に何かを書いて
俺に渡してきた。
〃○○ まりあ〃
『???』
『今度、ゆぅちゃんに
〃はじめまして〃って名乗るときは
それが・・・
〃自由になった私〃だから・・・!』