かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第12章 戻れない道・・・
『もしもし?~終わった?
おつかれ。あぁ、待ってるよ』
ある土曜の午後
俺は自宅でマリアを待っていた。
マリアは働く時間も日数も増えて
今まで休みだった週末も
時々仕事に出ている。
仕事終わってから
俺の家に寄る…なんてことは
この頃の常だ。
『オジャマしまぁす~。
ゆぅちゃん…お昼食べた???』
『まだだよ。何食う?』
『サンドイッチもらってきちゃった♪
まだあったかいよ~♪食べる?』
『マジか?やった♪』
マリアが時々バイト先から
余った料理や賄いをもらってきてくれて
一緒に食べたりするんだ。
『喫茶店のサンドイッチって
なんかやたらウマイよな?』
『んふ、わかる♪
ホットサンドってとくに』
毎日会えるワケじゃないから
メールしたり、夜は電話したり…
どこにでもいる
カップルと…同じ
あ・・・そうだ俺
『あ、マリア・・・コレ』
『???』
『ちと遅くなったけど〃引越祝い〃…』
『え・・・コレ…。???』
俺はマリアに
スマホを1台渡した。
『・・・』
『・・・カレーじゃ、ないの???』
ガチで言ってたのかよアレ?!(笑)
(まぁ、そうだろうなコイツなら)
『それもある…後で・・・夕飯に食べな』
キッチンの鍋を差して告げる。
『えっ?ホントに作ってくれたんだっ?
(笑)わーい♪・・・って
じゃなくて‥コレ…。・・・』
『マリア用のケータイ』
マリアを待つ間に
俺の名義で契約してきたモノだ。
旦那のケータイ…
嫌がってたから・・・
ってのもあるし
なんか、俺も嫌だった?・・・のか
あとは、ぶっちゃけたとこ言えば
セキュリティ的な意味も含めて