かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第14章 薄汚いこと・・・
『・・・』
マリアが箱の裏の説明に目を通した。
〃コレ…説明そのままなんじゃ…?〃
呆れ半分、諦め半分に頭を抱えながら
マリアは部屋の時計を見る。
〃ゆぅちゃん…あと30分くらいで
着くかな?…~さっさとやって帰ろう〃
『あの…コレ、玉ねぎ切って炒めて…』
『よっしゃ、切ったらエエんねやな?』
『はい…ソースを牛乳で溶いて温めて
それから…』
『うん、わかった♪…ほんで・・・
玉ねぎってどうやって切るん?』
『・・・』
『ハッハハハハっ!
悪いな!オレ料理一切アカンねん!』
『・・・私…切りますから
そっちお願いします・・・』
〃ハァ…どうしてこんなことに…
かといって、あまりお隣と関係とか
悪くしても面倒だし…まいったなぁ〃
マリアが渋々手を動かそうと
キッチンに立って背を向けた。
ギシ・・・
古い床は、きしんで音を立てる
ソロ・・・リ
『・・・?』
〃・・・え?〃
マリアが背を向けた
ほんの一瞬…
ギュ・・・
『・・・っっ!!?』
腰回りに太い腕が
ぐるりと巻き付いていた。
『・・・っな?!』
ガチャン…っ
驚いたマリアの手から
包丁が抜け落ちて
流し台に転げた。
『なにするんですか・・・っ!?』