かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第14章 薄汚いこと・・・
『うぅ~っ!!ん~~っ!!!』
ジタバタ・・・ジタバタ
『ちっさい体で
意外とよう暴れんなぁお前?
おぃおい…ほんでもなぁ~
こないなちっこい足でもな
蹴られたらこっちは痛いんやでぇ!?
コラぁ!?わかっとんのかガキ!』
〃・・・!?〃
完全に勝手言いたい放題
やりたい放題の男が
マリアの太ももを持ち上げて
皮膚のやわらかい部分を
思い切りつねった。
『!?…んん"っ!!?~…グホっ…グホ』
『わかったら観念して
おとなしくしときぃ?…エエな?
ハハっ…むせたんか?オマエ
静かにせぇへんのが悪いんやでアホ』
マリアはひたすら目を閉じ
顔を横に向けて
歯を喰いしばっている自分に気付く
せっかく…忘れかけていた〃癖〃
〃喜び〃を知った今…
決して思い出したくない
死んでも戻りたくない、そう思える
苦しい、苦しい光景…。
『~~~~~~っ…!!』
〃いや・・・だ〃
同時に知ることになった。
マリアにとって
今されている身勝手で乱暴な行為が
これまでに自らの夫から…
お互いを思い…
愛を通わせていると信じ
受けていた行為と
大層な違いがないという感覚・・・。
自分が
そんな仕打ちを受けていたのだと
知ってしまう。
〃私が変なのか…病気とかなのか、
と、思ってた…。でも今なら…わかる
だから…いつも痛くて、苦しかったんだ
って。今なら…当たり前に…わかる〃