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俺の問いに
マリアは少し静止して、迷わず答えた。



『ううん・・・』




マリアの答えはNOだった。



『あそこ…私の自由の家だから』



『うん…。けどマリア？あそこは…』




あそこにはマリアを危険な目に遭わせた
とんでもないヤツが住んでいる

それも、真隣に…。


期待はせずともあの男には
脅しもかけておいたが

あんな開き直るようなイカレ野郎だ
正直ちっとも期待してない。



警察にも言わず、そんなヤツのいる所に
住み続けるなんて…



先に言ってしまえば
俺はマリアの答えの可否に拘わらず


マリアをそのまま
あそこに住まわせる気は
なかったんだけどさ…






『私・・・何も悪いことしてない』





マリアは真っ直ぐにこう言うんだ。




『私…あそこを
出ていかないといけないような
悪いことなんて…何もしてない』




それはもちろん、まったく正論だ。






『私があそこ出ていかなきゃいけない
理由は・・・ないもん』







マリアがつよい気持ちを持ってくれてんのは
本当に良かった

だけど事が事なだけに
これに関しては俺・・・

少し頭を抱えたよな。




マリアの気持ちを尊重したい

てか…そもそも
マリアが決める事で

とやかく言う権限は俺にないけどさ


安全を考えたら
やっぱ意地でも止めなきゃって
こともある。



まいったなぁ…
そう思わずにいられない中で


マリアは、事が動くまでの数日間は
俺の家で過ごした。



そんなある日…





ﾓｿﾞﾓｿﾞ・・・





寝る時に…ベットの中で
マリアが俺にくっついてきた。



『・・・？』




めずらしい…(それも悲しいか？)


どうしたんだろう。




『マリア・・・？』




俺にピッタリくっついて
はなれようとしない。





『眠れないのか？』


『・・・』




あんなことがあったばかりだ…

気持ちが落ち着かないのは当然か。




と、思ったんだけどさ


なんだかマリアの様子が…




『マリア・・・？』



マリアは俺に腕を絡ませて
離れない。

恐がってる？・・・のとは違う。




『マリア？』





『・・・』







『したいの・・・？』