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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第3章 家出娘の正体は・・・

『ほら…?好きなの食いな?』

『・・・』


キョロキョロ・・・チラチラと

俺の様子を伺って
手を伸ばそうとしないソイツ。



『どれでも…好きなの食べな?』



ニコニコ・・・

頬杖ついて、ちぃと笑いかけてみたり

なんか無駄に神経使ってるし俺。


あのなぁ?
実際問題、男って
ビクビクされたりすると
けっこー気ぃ遣うモンなワケよ?

わかるかぁ?お前に
…わかんねぇだろうけどさ。




『なんでも・・・いい』







で・たぁ~~~・・・。




男の中の(てか、俺の中の)

めんどくさい
女の発言ランキング

ワースト10(笑)に

随時、必ずランクインするやつ!!!



「なんでもいい」





これ言うオンナってな

大概は…てか
絶対に、ちっとも「なんでもよくない」
んだぜ!?

どこいきたい~~?

「どこでもいい」


なに食いたい~~?

「なんでもいい」





提案したり

行ったら行ったで

必ずブツクサ文句言うわけ!!!

マジでかったりぃんだよな!?アレ



最初っからハッキリしろってんだよ!?







・・・と、まぁ



とりあえずいっか今は。







コトン・・・




俺は、手を伸ばさないソイツの前に

ヤツの視線ががチラチラと
何度か行ったのが見えた

野菜たっぷりのシチューを置いた。
温め済み♪ホカホカのやつね。

やっぱ、あったかいモン
食いたいだろうな?とか・・・思って


『・・・』



なんだよ?

なんでもいいんだろ?
文句言うなよな?




『ありがと・・・いただきます』







あ・・・・・。






文句言うどころか…

ヤツは

やたらと丁寧に…キレイに

拝んでる?ってくらい
手を合わせて

ようやく食べ始めたんだ



また、一瞬だけ・・・

ニコって・・・嬉しそうに笑って。

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