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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第19章 愛してるから・・・さようなら

『・・・っマリアっ!・・・!』





・・・。





叫んだのは

夢の中か…現実か





俺はバカみてぇに
天井に向けて右手を真っ直ぐに
伸ばした状態で目を覚ました






『・・・っハァ・・・ハァっ』







夢・・・か





そりゃ・・・そうだよな






あまりにも夢過ぎて

あまりにもリアルな

妙な夢・・・






『・・・暑』





気づくと全身…汗だくだった






どんだけだよ・・・



俺は毛布を蹴っ飛ばした




高々と挙げていた右手をおろして
そのまま顔を覆った





『ジョーダン・・・キツイ』





軽くぼやいて
寝返りをうつ





あ・・・ヤベェ







段々と現実に戻ってきて
意識もしっかりしてくる






ヤベェ…マリアが寝てるんだった






素っ裸のまま寝かせたマリアを
思い出し

俺は蹴っ飛ばした毛布を探した







マリアが風邪ひくとわりぃ







そして毛布を手繰り寄せる手を見て

繋いで寝たはずの手が

ほどけていたことにも今更気付いてた






ま、しゃーねぇだろ・・・





夢にうなされて
雄叫びあげたりしてねぇかな俺?



マリアに聞かれてたら
かなり恥ずかしいぜ?






引っ張った毛布を
かけ直そうと
再び寝返りをうつ・・・










『え・・・』






・・・。








ベットが・・・広い







隣に寝ていたマリアの姿は


なかった

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