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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第25章 二人の部屋・・・

『…いらねぇよ』



俺はマリアから目を反らして
金を突っ返した






『ごめん、気分良くないのはわかってるの』





マリアが体売った金なんか…
受け取りたくねぇ

なんて

何もそんな意味で
言ったんじゃねぇんだ俺




『…当面の生活なら…なんとかなるから
心配すんな。しまっとけ』





『でも・・・ね、ちがうの聞いて?

〃そういうお金〃だから…

今後の為にもとっておきたくない』






『・・・』







『勝手なことばっか言って悪いんだけど

そうでなくても…私が
あんなことになってなければ

ゆぅちゃん
ここまでしなくて良かったでしょ

だから・・・』







『・・・』






『忘れていい・・・って

ゆぅちゃん、言ってくれたでしょ…』







『ケッ・・・わぁーったよ
~盆明けて…仕事探すまでは
まぁ…地道にやるぞ』






『ぁの…ゆぅちゃん
そのことなんだけど・・・』






『ふふっ…なんだよまだあんのか?』






『その…私はともかく
ゆぅちゃんのことは…まだ

もう少しだけ…私にも
考えさせてくれないかな?

私も…少し
考えてることも…あるの』





『・・・。わかった』





少し重い話は
はじめに済ませて



あとは事実上の…世間と変わらぬ
夏期休暇・・・



そんな日々に入る




マリアと俺の



二人暮らし・・・

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