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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第25章 二人の部屋・・・

こいつこんなキャラだったっけ?

なんて
日を追う毎に明るく

本来のその人を思わせる
色んな魅力を増していくマリア


容姿も然りだが
楽しそうにはしゃぐ姿なんて

相も変わらず無邪気な
子どもそのものだけどな


(〃夜〃は・・・ともかく…(笑))


なんてほくそ笑みながら
玄関に急ぐ




『ゆぅちゃん~♪』


『わかったわかった…!今行くから』





慌てて靴を履いて鍵を手に取る…と




?・・・





『ごめんマリア…先歩いてて?』


『?』


『ちと電話…』


『ん…わかった…ゆっくり歩いてるね♪』





マリアはスキップでもしそうな
軽い足取りで玄関を出て

すぐ先の共用玄関の扉をあけ
路地に出ていった



『あ、こんにちわ~♪』



マリアの声がした

近所の人に挨拶でもしてるらしかった





切れてしまった電話…

着信に残る妹にかけ直して

適当にあしらう



〃『ゆうくん~?お盆なのに
帰ってこないのか~って?お父さん達が』〃




『あぁ、またそのうちにな
マシロ…今立て込んでるからさ』




そのうちに・・・?


盆が明けたら、早いとこ近辺整理して
親にも早く話さないとな…


〃『ふふっ、お兄ちゃん
マリアちゃんと旅行でも行ってんでしょ♪?
大丈夫大丈夫♪適当に言っておくってぇ』〃



『マシロ…お前なぁ』




シャレにもなんねぇこと
言ってんじゃねぇよ
恐ろしい妹だぜ

電話をさっさと切って
急いで玄関のガキをしめた



共用玄関の扉に手をかける…その時









ヒソヒソ・・・





『?』






「ね~ぇ?今の女の子が例の?」



ヒソヒソ…



「そうそう!あの子よ
見かけない顔だと思ってね
婚前旅行?なんて言ってもねぇ」


「越してきたにしても…こんな時期に?」


「夫婦とは言わなかったんでしょお?」


「暮らしてるってより泊まってるわよそれ
ここウィークリーマンションでしょぉ?」


「なにやら訳アリ?かしらねぇ…フフフ」



都会でも田舎でも
どこでも…見かけるような
数人の主婦の井戸端会議



ヒソヒソ…と、効果音つけてるが
丸聞こえなソレの


中心にいたのは
昨日俺らに親切そうに
話しかけてきた…あの主婦だった

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