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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第25章 二人の部屋・・・

バイクを返しに行って
また二人きり・・・

手を繋いで
二人の部屋に帰る


『ん・・・はい、ゆぅちゃん?』


マリアが差し出してくるのは
さっきプリントアウトした写真


2枚あるそれを1枚は自分の財布に入れて
1枚を俺によこしてきた



『俺…待ち受けになってるからいらねぇよ』



なんか照れ臭くて突っぱねた




『ダッセェ~とか言って
どうせ後で変えちゃうクセに♪』




『ぅ…るせぇな…(苦笑)』



ハガキサイズ…より小さめのそれを
結局受け取って財布にしまった





『今日は楽しかったぁ♪
バイクすっごく楽しかったょ』


『そりゃ良かった♪~夕飯
その辺で食って帰ろうぜ?』





無駄なく…もれなく

一日中…一緒に過ごして




端からみたら

遊びほうけてるただのバカップルか?(苦笑)




だけどさ…俺





『なぁマリア…明日はどこ行きたい?
何を…したい?・・・』





一秒でさえも惜しむように

マリアの望みを聞いていた




『ぅ~ん・・・デパートにポスターのあった
なんとか公園ってとこ…

小さな動物公園みたいなとこで
うさぎが触れるんだって♪』



『うさぎかよ(笑)じゃ明日行ってみるか』









今が良ければいい…そうじゃない


現実逃避…したいんじゃない




この休みが明けたら
俺たちは…やらなければならないことが
山ほどある


大変なのは・・・これからなんだ





それが…その現実がわかっていたから




せめて・・・笑っているマリアを

このまま笑わせてやりたい



どんな些細な事でも良い

マリアの願いを叶えてやりたい



マリアを・・・もっと

もっともっと

楽しく…笑顔にさせてやりたかったんだ




マリアが望むことなら

どんなことでも

叶えてやりたい





特別な理由も何もない

俺はなんか知らないが

ただただ、そう思っていた

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