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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~

第25章 二人の部屋・・・

あの日の…海岸でした

プロポーズの答えを

ようやくハッキリともらったかのような

そんな気持ちになった








『わかったよ・・・

もちろんだよ、マリア』



俺自身の覚悟や決心、云々…
それはあったと思うが


異論はなかった・・・



照れくさそうに顔を赤らめるマリアに
俺も少し赤面していた






『ゆぅちゃんの気持ちを…台無しに

勝手なことばっか言って・・・私』







『ふふ・・・いや

マリアの答えは賢明だと思う』







『この歳で…親を頼るなんて・・・

それに、親を出すなんてやっぱり卑怯かな?』







『あのな…ハッキリ言っとく

マリアはもう、そういう次元の
話じゃねぇんだよ

俺も・・・誰も、そんな事思わない』







その件に関しちゃ…命にだって関わる事だ

マリアに非なんかない

咎められるべきは、あの男だ






『もっと・・・早く
そうしろ、って話だよね・・・っ

こんなに…人を、ゆぅちゃんを巻き込んで
こんなになるまで・・・私ってホント

情けない・・・
ひとりじゃ・・・出来なかった』








『マリアは…最後まで辛抱して

最後まで努力して・・・闘い続けただけだ』






それを・・・誰が責めれるってんだよ







『ふふ・・・ホントはね
すごく嬉しかったの・・・』





一通り、話したマリアが
少し涙を拭いながら俺に微笑んで



もうひとつ・・・その深くて

やさしい想いを

語ってくれた

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