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マリア

第8章 追奏曲



おっと、



それより、早くトイレ行って、アイツが出したもの全部掻き出さないと…。



と、小走りでトイレに向かう途中、



ちょうど、大野智と櫻井翔が向かい合って、何やら深刻に話し合ってる場面に出くわした。





智「触んないで!!」



…おやおや、これは穏やかじゃありませんね?



翔「智くんごめん、俺…」


智「…聞きたくなかった。」



…もしかして、修羅場、ってヤツですか?



しばらく、物陰から二人の様子を窺う。



智「ごめん。君とはもう、会わない。」


翔「智…くん?」


智「礼音にも言って聞かせるから…」


「………。」



あら、最後通告されちゃったよ?アノ人。



こちらに向かって走ってくる大野智に気づかれないよう、身を屈めた。





そのあとを追いかけるのか、と思いきや、



ただ、去ってゆく後ろ姿を呆然と見送る櫻井翔。





これは……フラれた……じゃなくて絶交されちゃった、ってこと?





でも、アノ人、未練たらたらな感じなんですけど?





…まあ、いいや。





この状況は俺にとっては願ったり叶ったり、ですねぇ……





もし俺が、大野智を好きなように動かすことができたら…



大野智をうまく扱えれば、



アイツ……櫻井翔。



あの人も勝手に動いてくれるかもしんない。









あの二人…





…使えるかも。



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